From:桜井啓太
恵比寿の自宅より
2月は受験ラッシュですね。
今日5日で首都圏の中学入試は一段落します。そこから2月中旬は高校入試が本格的にはじまります。
2月の終わりにかけては大学入試がクライマックス。早慶など上位大の入試がはじまり、月末には国公立前期試験もあります。
この時期になると思うのが、「直前の伸び」です。12月くらいまではパッとしなかった受験生が、直前で大きく実力をつけるのです。
今年も一人います。英語を担当している生徒で、12月までは「どうなるんかなあ…」と不安に思っていた受験生がいました。
いざ受験シーズンがはじまり、フタを開けてみると、英語が一番できちゃってるくらいの勢いなのです。ただし、数学・物理が今のところ上手くいかず、総合的には物足りないのですが…
受験勉強で限界を迎えることなんてありません。限界を迎えるほど勉強する受験生がいないからですね。ただ僕は、「もうコレ以上伸びない!」という限界を1回だけ感じたことがあります。
聴覚障害の受験生
それが聴覚障害だった浪人の受験生です。日頃から補聴器をつけていました。先天的だったようで、しゃべり方もモゴモゴとした感じです。
志望は東京工業大学でした。ここはかなり長い英語長文が特徴です。また、そこまで重視はされませんが、センター試験で国語や社会も点数を取る必要がありました。
そんな受験生の英語を1年間担当していました。浪人だったのである程度の貯金はありましたが、それでもセンター試験で言うと5割程度です。
聴覚障害ということで、言語系科目はかなり苦戦を強いられました。英語も言語ですから、「音から入る」ということができません。目で見て理解するしかないというだけで、かなりのハンデを背負っていると言えます。事実、英単語の暗記ペースは遅かったです。
しかし、そんなハンデを抱えながらもその受験生は勉強量でカバーしていきました。その結果、秋にはセンター試験の模試で140点程度までとることができました。
もう少し、2次も考えて160点くらいはとれるようになりたい…。そう考え、そこからさらに5ヶ月ほど指導しましたが…
ダメでした。結局本番でも140点くらい。そこからパッタリと点数が伸びなくなってしまいました。東京工業大も不合格。もちろんこれは英語だけでなく、他の科目の兼ね合いもありましたけどね。
原因はやはり「音」です。英語は、「音」抜きでは驚くほど難しい科目になります。そこから僕は、英語において「音」から入る勉強の必要性を重視するようになりました。
今では、英語の勉強計画に必ず音読を組み込みます。生徒によっては、音読用のテキストを持たせたりもします。
今年見ている高3受験生も一人、音が苦手な生徒がいますね。やはり音読をあまり重視してこなかったのが、ここへ来て悪影響なのかもしれません。
英語は音。音読は絶対です。