From:桜井啓太
恵比寿の自宅より
ダイヤモンド誌の記事で、すごく面白いものを見つけたのでご紹介します。
https://diamond.jp/articles/-/192868
よく、子どもたちに罰やご褒美をあげるべきか?という話が出ますよね。それに対する答えになりそうな、1つの実験結果です。
記事にもありますが、僕からも説明しますね。
とある保育園で、「お迎えの時間」に遅刻してくるお母さんが多いことが問題になりました。お迎えが遅れれば遅れるほど、保育士さんは残業しなくてはいけないからです。
そこでその保育園では、お迎え遅刻に罰金をつけました。1時間あたり10ドル(日本円で1000円ちょっと)です。
さて、遅刻は防げたのでしょうか?
…答えはNO。むしろ、罰金があることで遅刻をする人が増えてしまったようです。
理由はカンタン。「罰金払えば許される」とお母さんたちが考えるようになったからです。
まあ、罰っていうのは反省を促すためにありますから、「払う=許される」と考えるのは当然のことです。
罰金がない頃は、遅刻をしてくるお母様といえど「申し訳ないな」という気持ちはあったのでしょう。ところが罰金ができてから、「罰金払っているんだから申し訳ないと思う必要はないよね」と考えるようになりました。
だから、以前にも増して遅刻をするお母様が増えてしまった。
これを子育てに応用しましょう。
勉強をしない、生活をちゃんとしないなど、子どもだって(親からみて)よくない行動をします。そういう子どもに罰を与えるとどうなるか?
しぶしぶ罰則に従うだけです。代わりに勉強するかといえば、しません。
実際の例ですが、僕の中2の生徒で、「成績が悪いのでスマホやテレビ、ゲーム、マンガなどあらゆる娯楽」を奪われている子がいます。
では彼が勉強しているか?していないのです。ただじっと退屈に耐えています。以前と同じように、言われたときしか勉強していないのです。
「罰があるから行動するだろう」というのは、とても危ない考えだと言えますね。
ダイヤモンド誌の記事では、罰ではなく「内発的動機づけ」によって動くようになるべき、と書いてあります。これには僕も大賛成です。
ではどうしたら内発的動機づけが生まれるのでしょうか?それだけでものすごい苦労がありますので、その話はまた今度…。