英語長文読解が苦手な人は、コレを読んでから勉強をしてください!

From:桜井啓太

英語で長文が苦手っていう人、多いですよね。

英語の入試問題は、どこもかしこも長文だらけ。センター試験でさえ、毎年じわじわと語数が増えています。

大学に入ってちゃんと勉強しようと思うなら、英語の論文をたくさん読む機会があります。結局、入学してからも英語長文読解はあるのです。

つまり、どうあがいても長文読解をクリアしないことには、この先なかなか苦労してしまうわけですね。

「では長文対策は必須ですね」と思った方もいるかもしれません…

これは半分正解で、半分間違いです。ここに受験生がハマってしまいやすい罠があります。今日はその間違いを解説します。

長文を読むな

この記事の結論ですが、「長文は読むな」ということになります。なんだか矛盾しているように聞こえますが、ちゃんと理由がありますよ。

長文は「文の集まり」

長文読解というのは「文の集まり」になります。センター試験レベルである600語くらいの長文から、慶応大学文学部の2000語くらいの英文まで、様々な長さの英文があります。

しかし、あくまで「文の集まり」です。まず1つの文があって、それがたくさんあるだけです。1つ1つは、「1つの文でしかない」のです。当たり前のことを何言ってんだ、という感じですけれども。

いきなり試合に出ますか?

長文の力を伸ばしたいからといって、いきなり長文読解問題集なんかに取り組むとどうなるか。「勝てるわけがない」のです。

例えるならサッカーを習おうと思って、試合だけに出ているようなものです。もちろん試合勘みたいなものは身につくかもしれません。でも、いざゴール前でパスをもらったらどうするか?

シュート練習をしていないので、当然ゴールを決められません。というかトラップすらできないのかも。

いきなり長文読解問題集を解くというのは、これと同じです。

だからコツを一言でまとめるなら、「長文を解きたいなら、長文は読むな」ということになります。

では代わりにどうすればいいでしょうか?サッカーで考えてみたら分かりやすいですが…

1文1文を正確に

まずは基礎練習を積むしかないです。

サッカーでいうとシュート練習、いやそもそもリフティングやパス練習からでしょうか。もしくは1対1で相手を抜き去るような練習をするかもしれません。

英語で言えば、「文の集団を相手にする前に、1文を単品で理解できるようになる」ということです。

1文ずつ相手して意味が分からなければ、それを集団で相手にしたら負ける可能性はもっと高くなります。まずは1文から。これが鉄則です。

そのために単語を覚えたり、文法を理解したりする必要があります。こういう基礎練習をおろそかにしたまま、いきなり長文読解をやって良いことなんか一つもありません。

試合しかやらないサッカーチームが、「なんで勝てないんだろうね」と悩んでいるようなものですから。

スピードは後から

もちろん、正確に読めるようになっただけではまだ足りません。最近の入試は語数が増えているので、「時間内に読み切る」ということも難しくなっています。

だから読むスピードを上げなくてはいけません。でもそれは、あくまで「1つ1つが正確に読める」ようになってからです。

ゆっくりドリブルができないのに、いきなり全速ドリブルの練習をしてもしょうがないのです。順番が大切ですよね。

予備校の授業を信じるな

僕が予備校や学校の授業を見ていて不満なのは、この原則を守っていないからです。「総合英語」とか言っていきなり長文読解をやっています。

もちろん同時並行で単語や文法もやってますし、何より実践レベルの実力がついている受験生は、総合英語をやっていたっていいです。

問題なのは、それ以前のレベルの人が長文読解をしていることです。そういう人は、まず長文を解くのを止めてください。その時間を単語や文法「だけ」に使ったほうが、結果として「長文読解をやっていい状態」に早く届きます。

具体的に何をやればいいの?

では長文に取り組む前は何をやっていればいいのでしょうか?僕は「この3つだけをやれ」と生徒に言っています。

  • 単語帳
  • 英文法問題集
  • 英文暗記

手元には「この3冊だけ」があるようにしてください。他のテキストは持っていてもしょうがないので、いったんしまっておきましょう。

単語と英文法は当然かと思います。僕が「他の受験生に勝つポイント」としてオススメするのは、3番目の例文暗記です。これをやるかやらないかでまったく結果が変わってくるのですが、それはまた別の記事でご紹介します(編集中)。

実際の声

「長文をやらずに長文の点数が伸びた」

こういう例はたくさんあります。

偏差値57→72

まず自分の例で申し訳ないのですが、僕はそうでした。高3の夏まで、さっき紹介した3つのことしかやっていませんでした。長文読解問題集なんて持っていなかったです。

塾の授業でやっていたように思いますが、意味は特にありませんでした。

この3冊をやっただけなのに、英語の偏差値が57→72にアップしました。しかも2ヶ月で、です。長文読解は一切やっていないのに、なぜか長文の点数も伸びました。

センター100→138点

ちょうどこれを書いている今年の例です。高3の12月まで、センター模試の点数が100点前後しかない受験生がいました。

しかし、1月に入ってから一気に点数が伸び、本番では138点とれたようです。この生徒は理系ですので、これで十分です。

その受験生に話を聞くと「単語と英頻*だけをやりまくった」とのこと。いや、そうしろという指示は夏前からしていたのですが…(笑)ようやく吹っ切れたようです。いやでも、間に合ってよかった。

*英語頻出問題総演習(即戦ゼミ3)のこと

長文が苦手なら、まずは捨てろ!

今でも多くの受験生が、「受験まで時間がないから」という理由で長文問題を解いてしまいます。確かに本番には長文が出るのだから、「やっておかないと」と考えるのは当然かもしれません。

でもちょっと待ってください。いくら時間がないとはいえ、無駄な勉強をしてしまっては焦る意味がないんですよ。

自分の実力をちゃんと考えて、必要なことをやってくれればなあと願っています。

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