From:桜井啓太
自宅近くのデニーズより
大阪の梅田駅が「大阪梅田駅」に名前を変えるようです。
https://www.asahi.com/articles/ASM7Y622TM7YPTIL02Z.html
梅田が大阪にあることがわかりにくいんだそうです。
確かに大阪の中心は梅田と知っているけれど、関東人の僕からすると感覚的に梅田が大阪駅と近いっていうのが発想しづらかったりはしますね。
だから、梅田というときに「大阪梅田駅」と言うようにする。
これを聞いた相手は「ああ大阪だね」と理解しやすくなる。
これ、意外とバカにできない効果があると思います。
僕は塾講師も17年くらいやっています。
その中で、分かりやすく人気の先生と、分かりにくくてつまらない先生。その差について考えたことがあります。
ズバリ、言葉の選び方が違うのです。
分かりやすい先生は、生徒が知っている言葉だけを使います。
もちろん新しい言葉も教えなくてはなりません。しかしその説明をするときには、必ず生徒が知っている言葉「だけ」を使います。
一方、分かりにくい先生は、生徒の頭の中にない言葉ばかりを使う。
だから理解するための説明なのに、聞いても分からないんです。
その意味でいうと、僕の思う「語彙力」とは、難しい言葉をたくさん知っているかどうかではありません。
いかに「いろんな立場の言葉を知っているかどうか」です。
子どもに「母方の祖母」と言うか「ワンワンのおばあちゃん」と言うか。
そういうレベルの会話でも言葉選びの連続なんです。(うちの母親が選んだ言葉の実例です)
専門家としての僕たちは、相手に説明をする場面がたくさんあります。
相手は専門家ではないでしょうから、内容の良し悪しなんてぶっちゃけ分かりません。「自分が納得したかどうか」という具合に信頼度を決めることもあります。
だとすれば、専門家としての地位を確立するために簡単な言葉を覚えるというのも必要なのかもしれません。なんだか矛盾していますけどね。
というわけで大阪梅田駅、いいじゃないですか。
関東人の僕にはありがたい話です。