ディープインパクト、死す

From:桜井啓太
五反田のスタバより

7月30日、ディープインパクトが亡くなりました。享年17歳でした。

ディープは競馬に詳しくない人でも名前を知っている馬でした。

詳しくない人でも名前を知っているというと、野球でいえばイチローや長嶋茂雄。サッカーで言うと本田圭佑。テニスで言うと錦織圭。

つまりは第一人者ってところですね。

なぜこんなに有名かと言うと「やばい強い」から。僕は競馬歴25年くらいなのですが、はじめて見たときは震えました。

そう、彼の名前の通り、「大きな衝撃」でした。

これだけ有名なディープインパクトですが…

死んだ馬にこういうのもなんですが、「しょせんは狭い世界でのNo.1」に過ぎないのです。

別にディープをディスっているわけではありません。

言っても競走馬、それも日本で強いというだけです。もちろんこれは立派なことではありますが、批判したいわけではなくて事実です。

それでも話題になる。ニュースの特集になるのです。

つまり何が言いたいかというと…

どれだけ狭かろうが、No.1には価値がある、ということです。

メジャーな分野においては、No.1になることはとても難しい。たとえNo.2、No.3でも「すごい」のです。

でも1位じゃなきゃ話題にはならない。

しかし、メジャーではない分野であっても1位になれば、話題をさらえるのです。

これはマーケティングにおいてとても重要な原則です。これでもかと狭い世界で勝負してやればいいのです。

パン屋総合で1位になれなくても、食パン専門で1位になればいい。

神奈川の不動産屋で1位になれなくても、神奈川県横浜市西区みなとみらいの不動産屋で1位になればいい。

このように、狭くすればするほど当たり前ですが難易度は下がります。それでいて注目度はそんなに下がりません。むしろ「マニアックな」サービスということで、逆に注目される可能性だってある。

クライアントから見ても、自分にドンピシャのサービスを提供してくれそうな期待が高まります。どうせお願いするなら、何でもできる人より「それしかできない人」だということです。

あなたのビジネスについていえば、あなたはどこまでターゲットを絞れますか?「ここまで絞れば負けない」というところまで絞り切ってから勝負しても悪い話ではありません。

昔、「2位じゃだめなんですか?」と叫んだ政治家がいました。

マーケティングでは、ダメなんです。

PS
なんかディープの功績を小さく評価するような言い方になってしまいました。個人的にはそうは思わないですよ。

こんな馬、あと100年は出てこないかもしれません。

冥福を祈ります。