パナソニックがレシピを公開する理由

From:桜井啓太
自宅より

パナソニックがレシピを公開しています。

こちらをご覧ください。

http://sumai.panasonic.jp/sumu2/kuraspe/019_05/

パナソニックといえば家電のブランドです。別に料理情報を提供している会社ではありませんよね。

では、どうしてパナソニックはレシピを出し続けるんだと思いますか?

実は、これぞマーケティングの真髄と言えるやり方なんです。

それはズバリ「用途の提案」です。

商品やサービスは、それだけでは「あるだけ」です。どうやって価値が決まっているかと言うと、「どう使うか」で決まってますよね。

例えばティッシュ。

鼻をかめますが、それだけだと風邪引かない人には価値はゼロです。

でも、机にこぼしたソースもふけます。それなら、けっこうたくさんの人にとって価値が出ますよね。

あ、部屋に入ってきた虫を捕まえるのにも使えますよ。

このように、「それを使ってどうなるのか」といったところに商品サービスの真の価値があります。

これをマーケティングの格言でいうと「ドリルを売るな、穴を売れ」というのがあるんです。

この「用途」を考えるのが、マーケターとしての真の仕事だと僕は思っているんです。

なぜなら、用途を増やすことができれば、買ってくれる相手が倍々に増えていくからです。

売上を爆上げするためには、商品サービスの品質を向上させるだけでは足りません。それでは微増にしかならないのです。

でも売れる相手が2倍になれば、単純に売上は2倍になります。費用は固定の部分もありますから、利益としては3倍4倍になったりしてもおかしくないです。

というわけで冒頭のパナソニックに戻ります。

パナソニックは家電ブランドですが、家電を売っているのではないのです。

炊飯器を売っているのではない。おいしいごはんを売っている。

お鍋を売っているのではない。おいしいオカズを売っている。

エアコンを売っているのではない。快適な室内を売っているのです。

そう考えると、レシピを提供するのは理にかなっている。だって、それ自体が売り物なんですから。

それでは、あなたの売り物はなんでしょうか?

◯◯です、とあなたはすぐに思い浮かぶでしょう。

でも、もう少し深く考えてみましょう。

「それは何に使えるでしょうか?」