From:桜井啓太
横浜の実家より
うちの父が先日亡くなりました。
7月から入院はしていて、抗がん剤を投与したりしてかなり弱っていました。なので「そろそろ」みたいな感じではありました。
母も僕も覚悟はしていたので、急だから悲しいということはありません。まだ時間が経っていないので微妙なところですが、受け入れることはできていると思います。
息子として一番考えることがあります。
それは親父が「自分の人生をどう考えたのか」ということです。
親父の人生は親父のものであり、僕のものではありません。なのでこのタイミングでの死がどういう意味を持つのかは僕には全く分かりません。
親父はいったいどう思っていたんでしょうね?自分の人生を振り返って、良かったのか悪かったのか。何が人生での一番大きな思い出だったのか。
あんまり話せていなかったので、今ではもう分かりません。
日本だけで1億の人口があるとすると、1億通りの人生があります。それぞれについて、良し悪しを他人が判断することはできません。親父について言えば、息子である僕が判断することもできません。
親父に対してはこんな感じでしたが、マーケティングにおいては「他人の人生を知ろう」とするのは大きな武器になります。
あなたが価値を届ける相手には、当たり前ですがあなたと同じくらいの人生があります。その中で経験してきたこと。いまその人がもっとも大切にしていること。逆にこれだけは許せないと思っていること…
こうしたことを理解するのは、人生に対する理解そのものだと僕は思います。
完璧には無理ですが、理解できるよう努力すること。その積み重ねによって、僕たちのつくるメッセージは説得力を持つようになります。他人の心を動かせるようになるのです。
そんなふうに親父の人生に思いを巡らせながら…
形見となったマーティンのギターで親父の好きだった「ホテル・カリフォルニア」でも弾いてあげようか、と考えているところです。
PS
日曜の朝にしんみりした話をしてしまってすいませんでした。